free mental place 航

”自由なこころの空間”を提供する カウンセリングルームです

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家庭料理で考えてみる

家庭料理で考えてみる

このこらむでも頻繁に取り上げているんですが、悩み事のの大半は人間関係のトラブルといっても過言ではありません。それぐらい人間関係って難しいもんなんですよね。
では、なぜそれだけ人間関係ってこじれるんでしょうか?
それは、自分の考え方がある以上、相手にも考え方があるから仕方ないわけなんです。
て、そんな一言で納得できるならいいんですが、そんな簡単ではないですよね。
てなわけで、今回は少しだけ深く考えてみますね。

カウンセリングという仕事を少しだけ説明しますと、困った出来事を深く掘り下げていくんです。
日常会話とは違ったアプローチで進めていくわけです。
そんな作業をすると、60分という時間は感覚的に短く感じます。
それぐらいカウンセリングの場というのは、非日常的空間になるんです。
本当に不思議な空間だなと、提供している自分でも思ってしまいますね。
で、掘り下げていくとどうなるかというと、全てとはいいませんが、問題が全く違う問題になっていくんです。
どんなふうになるかというと、大半は、家族関係の問題になっていくんですよ。
不思議に思いますか?でも、実は全然不思議でもなんでもないんですよ。

友達の家でご飯をご馳走になった時、結婚されて初めて家庭料理を食べた時、戸惑った経験はないですか?
食事というものは、ある意味長年の習慣の積み重ねともいえます。
家庭料理って、その家族では当たり前のルールが分かりやすく見える形で表現されているんです。
夫婦といっても元は他人同士です。お互いの育ってきた家庭料理でも違いがあるわけです。
目に見える食事で違いがあっても、まだ見えるものだから、違和感があればお互いに話し合って、新しい家庭料理というものが出来上がっていくのではないでしょうか。

では、お互いの育ってきた家庭にもそれぞれの価値観がありますよね。こちらは目で見えません。
どんな時に、その違いに気づくんでしょうか?
それは、子供を育てる時に価値観の違いが出てくるのではないでしょうか。
価値観はその人の常識ともいえますから、違いがあるのならお互いに歩み寄るって難しいかもしれません。
ましてや大事な自分たちの子供です。自分が育ってきた価値観が一番だと自分が証明してるわけです。
もちろん、相手も同じです。相手の存在が相手の価値観を証明しているんです。
自分に自信があればあるほど、譲れないものですよね。喧嘩になっちゃうかもしれませんね。
では、そんな両親を見て、子供はどう感じるんでしょうか?
自分の為を思って喧嘩しているんだ、なんて考えないでしょうね。それは自分達大人の考えです。
自分の存在で喧嘩しているんだ、ではないでしょうか?
そして、子供なりに考えて対策を立てるんです。その対策はその家庭では有効です。
なぜなら、その家庭の価値観にあった対策だからです。それがその子供の常識になるわけです。

子供の頃決断した対策が、今、問題を起こしているわけです。
これは、家庭料理と一緒で、自分には当たり前のことです。
目に見えないものですから、表面的には分かりません。
問題を深く掘り下げていかない限り、問題の核心である、この決断には到達しません。
多分、今までも同じような事はあったんではないでしょうか。
その時は、目に見える表面的な対策しかしていないわけです。
ですから、同じことが繰り返されるんです。
そう考えると、人間関係のトラブルが多いのも納得できるんではないでしょうか。

もう一言付け足すと、誰も悪者はいないんです。
誰の責任でもないんです。
だって、自分の両親も子供だった時はもちろんあるんです。
同じように育ってきたと想像できますよね。
誰かに責任を押し付けるのではなく、今、困っているのは誰なのか、それは自分ですよね。
自分で決断したことを、成長した今の自分がもう一度決断し直すのが、建設的ではないんでしょうか。
そうすると、不思議に思うぐらい変化が訪れるかもしれませんよ。

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