今回も中日新聞の ねえねえ ちょっと に掲載された相談について考えてみます。
今回も一部文章の色を変更してあります。
それもあわせて、どうぞお付き合い下さい。
今回は、義姉の希望で、両親がお兄さん一家と同居している娘さんの相談です。
先日、お母さんが一ヶ月入院をしたとのことです。
お母さんは一刻も早く家に帰りたくて、退院日の朝、義姉に連絡すると"朝は忙しい"と言われ、病院で二時間待たされたと聞いた、との事です。
お母さんは義姉の機嫌をうかがっているように見える、とのことです。
育った生活環境で考え方が違うのは十分理解しているつもりですが、こんな仕打ちはないと思う、とのことです。
なるほど、お母さんから二時間待たされたというのを聞いて、こんな仕打ちはないと感じたんですね。
この方から見て、お母さんは義姉の機嫌をうかがっているように見えてるんですね。
本当にお母さんを大切に思われているんでしょうね。
大切に思っているお母さんが待っているのを想像して、義姉が冷たくしている、と考えているんですね。
さて、人間関係のトラブルの元は、実は思い込みが大半を占めています。
~のように見える、というのは、思い込みの可能性がありますね。
それを念頭においてもらうと、客観的に物事が見れるのではないかな、と思います。
この方は、育った生活環境で考え方が違うのは十分理解している、との事ですが、そのように考えれるのは本当に素晴らしいことだと、僕は思います。
ただ、今度はその考えに囚われてしまっているのではないかな、と感じました。
その考えに合わせようとして、今は、思考と感情にズレが生じている状態なのではないでしょうか?
無理に合わせようとすると、どうしてもズレは生じます。
自然に、自分なりの思考になるように消化する、というのも有効だと思います。
すると、そのようなズレは生じなくなるでしょう。
さて、今回このこらむを書くときに、父親に連絡を取って、ある確認をしました。
どんな確認かというと、僕の父親も以前入院していたので、退院のタイミングを確認しました。
それによると、病院側の指定ではなく、患者さん(家族)の指定なんですよね。
となると、退院の時間の目安は病院側と話し合われていたのではないでしょうか?
お母さんを迎えに来る、義姉は、"朝は忙しい"んですよね。
わざわざ日常生活で"忙しい朝"に退院の時間を指定はしないんではないでしょうか?
となると、”忙しい朝”を外した時間に退院する予定になっていたのではないでしょうか?
ここで、それぞれの"真実"が出てきています。
お母さんにとっての"真実"は、"一刻も早く帰りたくて、二時間も待たされた"です。
義姉にとっての"真実"は、"朝は忙しくて、迎えに行くのは無理"です。
どちらにとっても、尊重しなければならない言い分はあります。
ですから、それぞれの"真実"になるんです。
もっとも大事なのは、あなたは"当事者ではない"という"事実"です。
"真実"はそれぞれありますが、"事実"は一つだけです。
自分は"当事者でない"と冷静に考えてみて下さい。
すると、たくさんある"真実"の中からたった一つの"事実"が見えてくるのではないでしょうか。
それを自分だけの為に使うのもいいですし、お母さんと義姉の関係の間を取り持つのもいいでしょう。
あなたがどうしたいか、それによって、変化は訪れると思いますよ。