少し前の話しになりますが、仕事としてではなく、ある人とちょっとだけお話しをする機会がありました。
その人は、職場の直属の上司にひどい事を言われ、かなり怒っていました。
一通り話し終えられ、その人がふっと聞いてきました。
「どうしてあんな事言っといて、しばらくしたら、笑いながら話しかけてこれるんだろう?普通、気軽に話し掛けてこないよね。」と・・・。
僕は少し考えて、こう答えました。
「ひょっとかしたらですが、その人は、自分でも言い過ぎたと思っているのかもしれませんよ。自分でも止める事が出来なくて、後で言った事に後悔してるのかも。だから、取り繕う為に、笑いながら気軽に話し掛けてくるのかも。」と・・・。
その人は、笑いながら聞いていましたが、ちょっとだけ、見方が変わったのかもしれません。
今まではそんな事、考えたこともなかったでしょうから。
人は自分の事ですら、理解する事は出来ません。
だから、絶えずカウンセラーである僕も自己洞察を欠かしません。
何か自分に違和感を感じたとき、
”今、何を感じたんだろう”と、自問自答をします。
自分の事ですら分からないのに、人の事は本当に理解できるんでしょうか?
僕の答えは、NOです。
ですから、僕は相手を理解する為に、自分が感じたことを相手に確認します。
そして、答えを擦り合わせて理解するようにしています。
そうしなければ、ただの思い込みになってしまいます。
思い込みほど、厄介なものはありません。
厄介なものですが、どうしても人は思い込みというものをしてしまいます。
どうせするものなら、上手く使いこなしてみませんか?
相手を悪く見るのは簡単です。
人は自分が可愛いものです。
相手を悪者にすることによって、自分を正当化してしまいます。
それが嫌な人もいるでしょう。
そんな人は、今度は相手を良く見すぎる思い込みをしてしまいます。
それはそれで無理があるので、長続きしません。
ほんの少しだけの、適度な思い込みでいいんです。
これなら、あるかも、という思い込みをしてみませんか?
そんな思い込みをしてみると、相手の見方が変わり、今までと違う事が起きるかもしれませんよ。