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04月

自分が我慢すれば、うまくいく・・・ある事件の信念を考えてみる

少し前のニュース記事になりますが、ちょっと気になりましたので今回考えてみたいと思います。
あくまでも、事件にまで発展してしまったケースですので、それも考慮して読んで頂ければ幸いです。

”自分さえ我慢すれば、うまくいく”
ある事件を起こした容疑者の言葉です。
事件の内容はあえて省かせてもらいますが、大なり小なりこの考え方を持たれてる人は多いのではないでしょうか?
なぜなら、対人スキルとしては、短期的には有効な手段だからです。
相手の要求を聞いているわけですから、対人関係はスムーズにいきます。
相手にとっては、これ以上ない、とてもいい関係に感じるでしょう。
ただ、短期的には、です。

いずれ、そのまま続けていると、喧嘩になるでしょう。
喧嘩が増える事は、決して悪い事ではありません。
それは、親密さを増しているからとも言い換えれます。
親密な関係だからこそ、喧嘩は起こります。
親密な関係だからこそ、自分が我慢していたことを分かって欲しいという期待が生まれるのかもしれません。
それを受け入れもらえれれば、うまく修正がすんで、この点は問題がなくなるでしょう。

受け入れてもらえない時は?
同じ事を繰り返す(我慢する)か、はたまた関係が破綻するか、押し通すか、色々あるでしょう。
でも、多分ですが、他の事柄にしても、我慢してしまっている事は多々あるのではないでしょうか?
ですから、その個々について、いずれ喧嘩になるのが推測されます。
喧嘩になって、また修正されていく。
それが繰り返される。
ちょっと、疲れちゃいますよね、お互いに。

誰かの犠牲の上に、よりよい関係は成り立ちません。
他人の事はよくわかりますが、人間というものは、自分自身の事は案外気づきにくいものです。
そのような人は、自分の事は多分勘定に入っていないのではないでしょうか。
誰か、の中には、当然、自分も含まれています。
自分も含めての、相手との関係です。
どうせ築くなら、よりよい関係にしたいですよね。

やむなく退職、夫が非難

今回も、中日新聞の ねえねえ ちょっと に掲載された相談を考えてみたいと思います。
それでは、どうぞお付き合いください。

今回の相談は、長年、正社員として働いた会社を辞められた主婦の方です。
子育てをしながら家も建て、頑張ってきたみたいですが、子どものために転勤を断り、退職せざるを得なかったとのことです。
ご主人は、収入が大幅に減ることで、将来への不安から退職に反対だったそうです。
夫婦でこのつらい選択を共有し、励まし合えると思っていたのに"勝手に辞めやがって"と言われ、その薄情さに悲しい気持ちでいっぱいです、とのことです。

なるほど、辞めたくて辞めたわけではないのに、"勝手に辞めやがって"の言葉が薄情に聞こえ、悲しい気持ちでいっぱいなんですね。
つらい選択をしたのに、その気持ちを受け止めてもらえなくて、本当に辛い思いをしたんだろうなと僕は感じました。

さて、これはなかなか難しい問題ですね。
それではちょっと、整理してみましょうか?

この方は、子どものために転勤を断り、退職をせざるを得なかったんですね。
そして、そのつらい選択を夫婦で共有し、励まし合えると思っていたんですね。
一方、ご主人は、収入が大幅に減ることによる将来への不安から、退職に反対だったんですね。
そして、"勝手に辞めやがって"と発言されたんですね。

ちょっと気になったんですが、ひょっとかして、話し合いは結論出ていなかったんではないでしょうか?
結論が出ていないのに、退職の選択をされたのではないんですかね。
だから、ご主人は"勝手に~"と言われたのではないでしょうか?
その言葉の中には、将来に対する不安な気持ちを受け入れてもらえなく、逆に薄情だという思いがあるのかもしれません。
となると、意見が分かれているのに、自分の意見と違う選択を、はたして共有できるんでしょうか?
多分、できないんではないでしょうかね。

では、どうすればいいんでしょう?

話し合いを途中で切り上げてしまうと、わだかまりが残る事が多いです。
今回も、二人とも、自分の意見を受け入れてもらえず、わだかまりが残ってるのではないでしょうか?
本当に退職しなければならなかったのか、
収入が大幅に減る事に対する対策は何かなかったのか、
それがクリアされれば、わだかまりも消えるのではないんですかね。

退職はもう決定事項ですので、仕方ありません。
となると、あとは大幅に減る収入を少しでも多くすれば、将来に対する不安は減りますよね。
新しい仕事は決めてたんでしょうか?
多分、決めていないんではないでしょうかね?
となると、まずは具体的な対策を立ててみてはどうでしょう。
それが達成されて、初めてつらい選択を共有し、励まし合えると思いますよ。

予想外の出来事

つい最近のことですが、買い物をして、レジを打ってもらった時の話しです。
その店員さんは、最近入ったみたいで、胸に研修中のバッチがついていました。
研修中というわけではないでしょうが、非常に丁寧なお辞儀をゆっくりしながら、「いらっしゃいませ。」で始まり、値段を復唱しながら籠につめていきます。
会計を済ませて、立ち去ろうとしたら、「いらっしゃいませ。」と言われてしまいました。
あまり気にもした事ないのですが、予想外の言葉を掛けられると、立ち止まってしまうものですね。
立ち止まって、店員さんの顔を見ながら、しばし、時が止まりました。

「?」
店員さんの反応です。それはそうでしょうね。
僕も、今まさに、予想外の行動をしているわけです。

「ありがとうございます、だよね。」
「?」
「今、いらっしゃいませって言ってたよ。」
「本当ですか!?申し訳ございません。」
「いえいえ、いいですよ~。」

とまあ、こんな事がありました。

緊張していたから言い間違えたのか、他事に気を取られて間違えたのか、それは本人にしか分かりません。
大事なのは、相手の事ではなく、自分が気になったことを伝えるかどうか、です。

相手を気遣って言わないやさしさもあれば、間違いを指摘するやさしさもあると思います。
指摘されないと、人は気づかないものです。
気付かないから、同じ過ちを繰り返します。
もちろん、気づいても同じ過ちを繰り返す事もありますが・・・。

伝えるなら、適切に、簡潔に、相手に伝わり易く、です。

あ、あと、伝えないなら、不審な行動は取らないように、です。
でないと、”変な人”扱いになっちゃいますので・・・。